夜嵐
我が国は豊かな国へ成長した。
都心園には高層ビルが立ち並び。
交通設備、教育機関等の施設は戦前の状態へ回復した。
新たな時代へ踏み出した。
一見、それは良い事のように感じるだろう。
だが、それは間違えだ。
国に住む人々は監視され、社会に不適合者は速やかに抹殺される。
静かに、誰にも気づかれずに……
『この国は間違っている』と気づく者は密かに『革命』へ導こうとする。
静かに話し合い、準備を行い、実行の時を待つ。
だが、未だに『革命』への反乱は起きていない。
なぜなら、我々の組織『D』は『革命』を阻止するために集められた集団だからだ。


 我々は『組織』であり、『仲間』だ。
 我々は『社会』では、『不適合者』だ。
 我々は『光』を憎み、『闇』を好む。
 我々は『一』であり、『全』である。
―――それが組織『D』だ。

 我々の『武器』は『情報』だ。
 我々の『武器』は『会話』だ。
 我々の『武器』は『仲間』だ。
 我々の『武器』は『時間』だ。
『武力』を持たず『交渉』から『国』を守る。

我々の目的は、『社会の混乱』・『社会の破壊』・『社会の再生』を阻止することだ。
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