カラス君と黒猫さん2

■見上げる。

私、黒音琴羽。
皆から“黒猫さん”って呼ばれてる。



私は何も言わないけど、実際この名前、気に入ってない。



だって名字に“子”つけるようなモンだもん。黒猫って。

漢字にしたら『黒音子』だもん。『加藤子』とか『山田子』みたいなものでしょ。



まぁでも、私のカラス君よりは変な名前じゃないと思うから許す。
そんな事言ったら「酷い」って言われそうだけど。





そんなこと思ってるなんて、今現在私の隣に居るカラス君は気付いてないだろうけど、それはそれでいい。
鈍感なのがカラス君なのだ。




カラス君は上背だし、私小さいし、マンションもビルも校舎も皆背が高いから、見上げる事が多い私だけど、これが私の“日常”なんだ。




中々満足してる、私の“日常”。