カラス君と黒猫さん2
顔をカラス君の胸に押し付けてみた。
鼓動が真近に聞こえる。
そこで違和感。
「ねぇ、カラス君」
「ん?」
「熱測って。」
「ん?」
「熱、測れ」
「え?!」
ベッドの枕元に置いてある保健室の体温計を拝借する。
それをカラス君に差し出した。
「脅しみたいだなぁ」
そう言ってカラス君は爽やかに苦笑して受け取ったけど、私には分かる。
心臓の音が早すぎるし、冷やしてきた手もあっと言う間に熱くなってる。
「熱っぽそうだもん」
「そう?」
大人しく体温計を挟んでいるカラス君は私に凭れて来た。
「熱い・・・・・・カラス君、」
「・・・・俺、寒い。」
そこで、体温計は鳴った。
体温計の温度を見て、思わずカラス君の足を叩いてしまった。
「38度じゃんかー!!何普通そうに話してんのー!!」
「いだ!病人の態度がそれ?!」
「早退しかないでしょ。カラス君の鞄取って来る」
カラス君を寝かせ、ベッドから立ち上がる。
良かった、私のサボり場所が保健室で。