カラス君と黒猫さん2
数十分後。
色黒で、金髪な坊主はやってきた。
「あぁ?保健室・・・・はここか。おーい黒猫ー」
「あ、雅。ここここー。遅いよ」
そう言ったら、単細胞の雅は不機嫌な顔をする。
「折角来てやったのに、何だよその態度ー」
「ごめん。・・・じゃあお願い、雅くん!」
「キモいわ」
「雅が言ったくせに」
雅をベッドまで誘導する。
蹲って寝ているカラス君を見て、雅は眉を寄せた。
「え、何、カラス熱出したの」
「電話で言ったじゃん!先生役に立たないし、授業中だから男手も無いし!」
「・・・・んー、そんでえ?俺はなにすればいい訳?」
気だるそうに欠伸をして、頭を掻くその姿は艶かしくて恐ろしい。
顔の一文字傷が妙に目立った。
「雅ならカラス君運べるよね」
「は?」
「マッチョな雅は細いカラス君位余裕だよね」
「え、え?黒猫?!」
「早く連れて行きたいから、運んで。」
雅は私を二度見した。
「俺にコイツ抱っこしろってか?」
「うん」
満面の笑みで笑ってやった。