カラス君と黒猫さん2
ぺたりとカラス君に張り付く。
熱い体温が直に伝わった。
(本当に熱出てるんだなぁ・・・・・・)
カラス君はタフなイメージがあったから、こうして寝込む所なんて見たこと無い。
実感が湧かない、っての?
「ん・・・・・・・・・・・・・・」
カラス君の腕が肩に回った。
あぁ、私体温低いから気持ち良いんだ。
「・・・カラス君カラス君」
カラス君の、におい。
あ、今私変態みたいだ。まぁいいか。元々変態だ。
「・・・・・・須王くん」
前から思ってた。“須王”なんて変な名前だなぁ。
そんな事は言わないけど、初め聞いたとき聞き返しちゃったもん。
まぁ本人も思ってるだろうけど。
「なに?琴羽さん」
心臓が止まった。
頭上から発せられた声は間違いなくカラス君の。
「うあああ!!起きてたのカラス君!!」
「起きたの。だって呼んだでしょ、俺のこと」
今、“琴羽”って聞こえた気がする。
今、名前呼んだ気がする。
「カ、ラスくん、今・・・・・・・・」
顔を上げると、カラス君の顔。
照れ臭そうに笑ってる。
ずきゅん、心臓が漫画みたいに高鳴った。