カラス君と黒猫さん2
『カラスの体調どうよ?かなり熱上がってたみてぇだけどお』
「カラス君?熱はまだ下がんないけど、元気だけはあるよ。さっきまでちゅーしてたのに邪魔しやがって・・・・・」
『ちゅーしてたのか?!お前病人になにやらせてんだ!』
「私がセクハラ女みたいに言わないでよ!!」
『てっきりそうなのかと・・・』
「はあ?!」
雅が紫煙を吐き出すのが聞こえる。喫煙者にとって辛い世の中だろうなー。
あ、LAURAじゃどこでも吸い放題か。
『まぁ元気ならそれでいいけどー。今日はマユが休暇とってるだろ?たまには親子揃ってー、なんて事考えてたんだけどよ』
「母さん?スーパーで会ったよ。あの人働くの好きだから、休みってモンに慣れないんでしょ」
『あぁそうそう。明後日の仕事、裏方に回ってくれよ。厨房の奴が風邪引いちゃってさ」
「裏方?いいよ。メイクしないで済む」
『おー、よろしく。そんじゃ』
ピッ。
電話は一方的に切られた。
全く、本当雅は空気が読めない時に電話くれるな。
「やっぱり雅でしょ」
「うん。間違え電話かと思ったのに」
「明後日バイト行っちゃうの?」
「?うん。約束したしね。カラス君ももう寝た方がいいよ。明日には治るといいね」
「そうだね。でも黒猫さんと一緒に居られるのはおいしい特権だと思う」
カラス君が優しく笑う。
「俺、寝るね。流石にずっとここには居られないから」
「うん、早く治してね。どこにも行けなくなるから」
横になるカラス君の顔を覗く。
少し癖がついてる黒髪を触ってみた。
「・・・・・・なに」
「いや、カラスなのに猫っ毛だなぁって」
カラス君が微笑する。