カラス君と黒猫さん2
「いいでしょ。俺のチャームポイント」
「なにそれ」
大きい掌が頬を撫でてから、後頭部に少し力が入って顔が近付いた。
「カラス君て近くで見ると目が薄い茶色だよね」
「黒猫さんも」
掌に力が入って、カラス君と唇が重なる。
私がカラス君より上になるのって基本ないから、何だか新鮮だ。
「おやすみ」
「うん。おやすみ」
カラス君、熱出してくれてありがとう。
実は風邪薬買ってきたんだけど、それは秘密。
ごめんね、もう少し熱のままでいて。
夫婦みたいで新鮮なんだ。
(あー、幸せだあ)
久し振りに、世界が明るく感じる。