カラス君と黒猫さん2
渡り廊下を渡って、新館4階の第一音楽室倉庫。
そこが私達の住処だ。
何でもカラス君が1年生の時に発見したらしく、たまたま私もそこを見つけたのが始まり。
あの頃はまだそんな仲良くなかったような・・・・。
実技室の鍵を取り出して、倉庫を開ける。
「図工室と家庭科室はクリアしたよねー」
「この倉庫もそろそろやる?」
「うん、それ私も思った」
そして、以前とは少し違う私の“日常”。
大きな一歩を歩んだのだ。
それは、実技室の掃除。
以前は食い逃げして掃除なんて全くしてなかったけど、食べ終わっても暇な時間が余るもので“掃除”と言う営繕活動を行っているのだ。
もうすぐ3年生、内申点も気になるしね。
「じゃーん、今日の昼ご飯は焼きたらこ。」
「焼きたらこだけ?」
「あ、間違えた、おにぎりの具が焼きたらこ。」
「やっとまともなの持ってくるようになったね」
「・・・・・・・どう言う意味・・・・・・?」
埃臭い倉庫の床に座る。埃が舞った。
「カラス君は珍しくおにぎりだね」
「パンに飽きて」
「うん、パンって美味しいけど飽きるよね」
カラス君も私のすぐ隣に座る。