カラス君と黒猫さん2



私達はきっと、高校生っぽくない付き合い方してるんだと思う。


・・・・老夫婦、みたいな。そんな穏やかな付き合い方。


喧嘩だってするっちゃするけど毎回カラス君が折れて、穏便に終わる方だし。
取り合えず、和やか。


でも、これはこれで気に入っている。
長く付き合えると思う、やりかた。



「いただきます」

「いただきます」


コンビニのおにぎりはフィルムが面倒臭い。
何で真ん中ぴーってやって横ぺっぺって取るんだろう。

ってカラス君に以前聞いたら、
『海苔が湿気らないようにする為だって』って凄く冷静に跳ね返されたから、もう聞かない。


まぁ確かに、海苔はぱりぱりなので許す。



「カラス君の具は何?」

「鮭。おにぎりって“具”って言うのかな。“実”って言うのかな」

「どっちでも伝わるから良いんじゃない?日本語って難しいね」

「国語とか果てしないもんね」



平和。
カラス君と居ると、平和な日常が送れる。



私は不意に、携帯を開いた。


「・・・・・・・・あ、バイト。」

「え、バイト?」

「うん。今日4時からコンビニのバイト入ってた」

「・・・・・・・あぁ、頑張ってね」


カラス君が微笑してる。
こんな微妙な顔も堪らなく好きだ。




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