カラス君と黒猫さん2
それから電車を降りて、そう遠くはない家までの道を歩いた。
「ただいまー」
「ただいま」
久し振りに家に帰ったなぁ。
靴を脱ぎながら、何処となく懐かしい匂いに心が躍った。
「居間で待ってて。材料切って来る」
「鍋出そうか?」
「あぁ、よろしく。」
当麻くんが台所に行った。
(鍋・・・・・・この前棚の上に置いたっけなぁ)
居間で荷物を下ろして、部屋をぐるっと見渡す。
「・・・・・こんなに広かったっけ」
久し振りの家。
家具も、部屋の中も何も変わっていないはず。
だけど、最近来てないからか全然雰囲気が違うように感じる。
自分の家なのに何で緊張してるんだろう。
「鍋発見!」
それから鍋を見つけて、当麻くんの所に持っていく。