カラス君と黒猫さん2
「完成ー」
「やったー!当麻くんありがとうー」
「リアルに手伝わなかったね、琴羽」
「うん。」
居間のテーブルに鍋敷きを敷いて、鍋を置く。
あぁ、冬って感じがする。
「頂きます。」
「いただきまーす」
「琴羽、小皿に分けずそのまま食べるタイプ?!」
「え?当麻くん違うの?」
「普通小皿に取らない?!」
「一刻も早く鍋を食べたいです。」
ご飯と鶏肉を頬張る。
当麻くんは笑いながら小皿に野菜を取る。
「当麻くん、最近母さんとは仲良いの?」
「んー・・・前よりは慣れた、かな。母さんが気ぃ遣うかなーと思って、最近家開けてるし」
「そうなんだ。」
「でも飯は一緒に食うようになったよ。母さんの仕事が仕事だから、そう会う事は無いけど」
仲良くはしてるんだ。
当麻くんと母さんは血が全く通ってない、って事になるから難しいのかな。
「・・・もう、琴羽に頼らなくても自分で自分の場所は見つけられてるからね」
優しい笑顔で私を見る。
心が、軽くなった気がした。