カラス君と黒猫さん2
□恋色
□ □ □
三時限目。
丁度、音楽の移動教室が終わったところで、私は一人で渡り廊下を渡っていた。
ただの休日に、当麻くんと話しただけなのに、何だか体が軽い。
学校が久し振りな感じがした。
自分の教室に戻るために、階段を下りようとした時。
階段にどっかりと座っていた、化粧が濃いめの、どこにでも居る“うるさい女子”と目が合った。
あぁ、この顔はどこかで見たことがある。
「うわぁー・・・あいつ、この間ウチを階段から落とそうとした女ー・・・・」
「マジでぇ?性格卑屈じゃん」
「そうなんだって」
ギャル四、五人で屯って居る階段を下りたいのだけど、しっかり階段が塞がれてて降りれない。
痛んだ黒髪をくるくるに巻いた女が、聞こえるくらいの小声で仲間と喋っている。
(こんの、蹴り落としてやろうか)
明らかに突っ立って居る私を馬鹿にした表情で、にやついている。
「ねぇ、そこ、どいてくれないかな」
「えぇー?何ぃ?」
少し前に出て、くるくる女と目を合わせた。