カラス君と黒猫さん2
「・・・・・・何睨んでんの?マジむかつくんですけど」
「カラス君の彼女だからって調子こかないでくれる?」
くるくる女の仲間も立ち上がり始めた。
何て、最悪な日なんだ。
「カラス君カラス君って誰の前で言ってんの?馴れ馴れしい。
“みんなのカラス君”、じゃなくて、“私だけのカラス君”だから。間違えないでね」
「・・・・・・・・はぁ?」
眼つけてくる女を無視して、一歩前に出る。
あぁ授業、もう間に合わないかも。
「前からその態度がむかつくってんの!気取ってんじゃねぇよ!」
「っ、」
くるくる女の手が、どん、と背中に触れた。
大丈夫、また前回のようには転ばないぞ。
バイト出れなくなるのは流石にキツい。
と、足を一歩前に踏み出したところ。
何故か私の足の前には、くるくる女の仲間の足があって。
見事に引っ掛かった。
「っわ、」
どや顔のくるくる女がスローモーションに見える。
やばい、転ぶ?
顔は傷つけないように転ばないと・・・・
体が階段に向かって落ちる。