カラス君と黒猫さん2
「・・・当麻くん、に会ったんだ」
一瞬カラス君は表情を固めた。
あぁそうだ、カラス君の当麻くんの印象は、良いものじゃなかったっけ。
「え、大丈夫なの・・・・・・?」
「うん、ご飯一緒に食べただけ。何もされてないよ」
カラス君の表情が緩んだ。
こう言う、優しい所が一番カラス君らしくて好きなんだ。
「色々、当麻くんも考えてたみたいで。もう、二度とあんな事しないって言ってた。
ちゃんと、普通の“兄弟”に戻れるんだよ」
カラス君に、笑ってみせる。
カラス君の顔の緊張が解けて、頭を撫でてくれた。
「よかったね、黒猫さん」
「うん、良かった」
優しい笑顔が私に向けられる。
カラス君の笑顔に、嘘はない。
撫でてくれる手に力が入って、引き寄せられた。
「黒猫さんが前よりも、楽しそうな顔になった。俺は、一番それが嬉しいよ」
耳元で、カラス君が囁く。
顔が急激に熱くなった。
「恥ずかしいじゃん、赤くならないでよ」
「カラス君が言ったんでしょ」
カラス君との距離が、近い。
けど、カラス君の熱が伝わる。
幸せ全開。