カラス君と黒猫さん2
□ □ □
私は棚に飾られてある、歪な人形を手に取った。
「・・・・何これ」
青い人形。
顔が妙に外国人ぽくて、モデルは明らかにあの有名な、
「あぁ、それね。それ、どりゃえもん。」
「どりゃえもん?」
「うん。父さんが土産にって買ってきたんだ」
カラス君は床に鞄を置きながら言った。
シンプルな部屋に、明らかに不釣合いのおかしな人形。
(カラス君のお父さん・・・、あの面白いお父さんだったら、これ買う理由も分かるかも)
じ、と“どりゃえもん”を見つめた。
鼻の下が異常に伸びてる。
「・・・カラス君・・・」
「何?」
「これ、よく見たら可愛く見えてきた・・・」
「でしょ?だから捨てられないの」
カラス君は苦笑した。
現在、カラス君の部屋。
一週間後に迫る定期テストの勉強のため、先生(カラス君)のもとにお邪魔させてもらってるのだ。