カラス君と黒猫さん2










□ □ □



私は棚に飾られてある、歪な人形を手に取った。



「・・・・何これ」


青い人形。
顔が妙に外国人ぽくて、モデルは明らかにあの有名な、


「あぁ、それね。それ、どりゃえもん。」

「どりゃえもん?」

「うん。父さんが土産にって買ってきたんだ」


カラス君は床に鞄を置きながら言った。
シンプルな部屋に、明らかに不釣合いのおかしな人形。



(カラス君のお父さん・・・、あの面白いお父さんだったら、これ買う理由も分かるかも)


じ、と“どりゃえもん”を見つめた。
鼻の下が異常に伸びてる。



「・・・カラス君・・・」

「何?」

「これ、よく見たら可愛く見えてきた・・・」

「でしょ?だから捨てられないの」


カラス君は苦笑した。



現在、カラス君の部屋。
一週間後に迫る定期テストの勉強のため、先生(カラス君)のもとにお邪魔させてもらってるのだ。



< 68 / 87 >

この作品をシェア

pagetop