カラス君と黒猫さん2



「勉強かぁ・・・、俺国語とかは全く駄目なんだよね」

「そうなの?私はどちらが得意かって言うと国語かなぁ」


私も鞄を置く。
その中から数学の練習問題を取り出して、机に乗せる。

カラス君は国語の教科書を広げた。



「これが“助け合い”だよね。」

「よし、協力しよう!」


二人で、握手する。


最近なまける生徒が多いから、テストを難しくする。なんて先生達の残酷な判断で、今苦しんでるんだ。


実質、成績は中の下くらいの私達は、今回特別にレベルが上げられたテストには、生命の危機を感じてる。



「基本的に方程式は全部できないんだよね・・・」

「一次も?」

「うん。」


一瞬、カラス君が怪訝そうな顔をした。


「・・・見捨てないでよ」

「・・・・教える自信が無くなって来たよ」



数学の問題集にペンを走らせる。
早速、苦手な方程式をふんだんに使った問題が。


そんな私を見て、カラス君は困ったように笑った。


「一から教えた方がいいかもね」

「教えてください。」



本日、珍しく“ブラックカップル”はお勉強。
これもこれで、新鮮かもしれない。




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