カラス君と黒猫さん2



「黒猫さんはいつもお菓子の匂いがするね」

「お菓子?」

「うん。そう思う。柔軟剤に砂糖とか使ってるの?」

「使ってるわけ無いでしょ」


カラス君の胸に顔を埋めて、匂いを嗅いでみる。



「・・・・・・・カラス君のにおい。」

「だろうね」


カラス君の指が、私の髪を透く。
そんな仕草が、色っぽい。


どきどきしながら、目を閉じた。




「ねぇ、本当に寝るの」


すぐに上から拍子抜けした声がする。

目を開けた。



目の前に、困った顔のカラス君が居た。



「え?うん。」


そう答えたら、カラス君は体を起こした。



「黒猫さんは本当に無防備なんだね」


意地悪っぽく笑うと、カラス君はそのまま私の肩を掴んだ。



< 75 / 87 >

この作品をシェア

pagetop