カラス君と黒猫さん2
「黒猫さんはいつもお菓子の匂いがするね」
「お菓子?」
「うん。そう思う。柔軟剤に砂糖とか使ってるの?」
「使ってるわけ無いでしょ」
カラス君の胸に顔を埋めて、匂いを嗅いでみる。
「・・・・・・・カラス君のにおい。」
「だろうね」
カラス君の指が、私の髪を透く。
そんな仕草が、色っぽい。
どきどきしながら、目を閉じた。
「ねぇ、本当に寝るの」
すぐに上から拍子抜けした声がする。
目を開けた。
目の前に、困った顔のカラス君が居た。
「え?うん。」
そう答えたら、カラス君は体を起こした。
「黒猫さんは本当に無防備なんだね」
意地悪っぽく笑うと、カラス君はそのまま私の肩を掴んだ。