カラス君と黒猫さん2
はぁ、と息を吐き出した。
カラス君の熱が伝わる。
(どうしよう、幸せだ)
今、こんな時に限って、そんな事が思える自分が凄いと思う。
これ以上の幸せの時がないくらい、今、嬉しいんだ。
「・・・・・・・・は、 ・・・・・・・・」
カラス君から手を離す。
代わりに、ベッドのシーツを掴んだ。
軋むベッドが現実味をさらに強くして、どきどきする。
幸せ。
幸せだけど、やっぱり余裕が無い。
「・・・・・・大丈夫?」
「ん、・・・・・・・」
優しいカラス君の顔が覗き込む。
カラス君の顔も、いつもと雰囲気が違って見えた。
「か、らすくん・・・・・・・、」
「なに?」
カラス君の熱い吐息がかかる。
いつもと違うカラス君に、私の心臓は高鳴ってばかりだ。
「だいすき・・・・・・・・」
そういったら、カラス君は優しく笑ってくれた。