カラス君と黒猫さん2
じんわりと迫ってくる寒さに、目を開ける。
目に入ったのは、窓から射す光。
思わず顔をしかめた。
体を起こそうとしたら、バランスを崩してベッドに倒れこむ。
自分の体に回っている、白い腕を見た。
カラス君。
あぁそうか、一晩中ずっと抱き締めてくれてたんだ。
まだ寝てるカラス君に抱きついて、私は目を閉じる。
昨日のことなんて全然頭に残ってなかった。
本当に、息するみたいに自然で、実感が今でも湧かない。
けど、体に残る熱だけは感じた。
「ん、」
頭のすぐ上から声がする。
「あぁ、黒猫さん・・・・・」
「・・・・・ごめん、起こしちゃった」
強く抱き締めすぎてたせいで、カラス君を起こしてしまった。
カラス君はいつもより垂れた目でこちらを見てる。