カラス君と黒猫さん2
■鴉
俺の腕に摺り寄る、愛らしい黒猫さんの頭を撫でる。
うん、大分懐いた。
そう思う。
初めの頃なんか、はぐらかされてばっかだったのに、今は対等。
黒猫さんを、掴んできたかも。
ツボ的な何かを。
今でもたまに、黒猫さんは自由気ままにどこかへ行ってしまうけど、完璧に“俺のもの”になるように、日々努力中。
黒猫さんは、俺しか見えないように、俺しか好きになれないように。
そうなれたらいいなとは思うけど、何せ相手は猫みたいな人だから。
最近、俺に懐きはじめた黒猫さんをはぐらかしてはいるものの、内心可愛すぎて死にそう、って言うのはまだ秘密。
いつか、絶対に名前で呼び合う。
俺の小さい目標。
まだまだ先は長そうな、今日この頃。
【黒猫さんとカラス君】
END.