愛毒病


20分位
私は何も言わず
怒鳴り続けられていた

泣きすぎて
息がうまくできない気がした

過呼吸だった


それでも
ユウはやめなかった




ドアを閉めて
出ていった



義母さんが
飛んできて
袋を口にあてて
背中をさすってくれた

「ごめんね」


なんでだろう
なんでこの言葉が
ユウの口からじゃないんだろう

もう何も考えられなかった
何も見えなかった



この時
離れられればよかったのに


私はまだ
ユウを信じたかった
高校の時のように
戻ってくれると

「お前しかいない」
って笑ってくれると

信じていたかった



何を言われても
私はまだ
ユウを思い続けていた
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