恋人は王子様!?
先輩の家―
晩飯を食いながら、
「菫ちゃん、何で倒れたの?」
野崎先生の目が怖い。
「勉強していて、珍しく菫が何か他の事を考えてたみたいで集中してなかったから、たまには早く切り上げるのもいいかと思い、止めるかって云ったら」
「……」
「アイツ…『ごめんなさい、一生懸命やりますから嫌わないで』って」
「はぁ?」
「何、それ?」
二人とも驚いてる。
「俺の云う事を聞かないから…嫌われたと」
「思いこんじゃったわけね」
「しかし、それで意識飛ばすか?」
「『自分は裕ちゃんに我が儘ばかり云ってる。裕ちゃん、嫌にならない、うっとおしいって思わない』って云い出して…絶対にそんな事はないと云い聞かせたんですが」
「……」
「『側にいていいの?邪魔にならない?』 アイツは…そんな事を聞く自分自身を嫌悪して…だから、俺がいつか離れて行ってしまうんじゃないかと…恐がってるんです」
「悪い方、悪い方へと考えて自分の首をしめたわけね」
「はい」