恋人は王子様!?



「…ぅ、ぅうん」


目が醒めたか?


目をしばたたかせ、菫が目覚めた。


ぼんやりと俺の顔を見て


「……裕…ちゃん」

「あぁ、気分はどうだ?」


「だ、大丈夫だけど…何で此処にいるの?誰かに見られたら」


慌てて起き上がり、あたふたしてる。


菫の肩を両手で押さえ、ベッドに寝かせ


「気にしなくて大丈夫だから。昨日、倒れたから見舞いだ」

「お見舞い?」


キョトンとした顔をして


「あぁ、倒れた生徒の見舞いなら誰も何も云えないだろ」


「……」


「な!だから おおっぴらにお前の傍にいれる」


「…うん」


「嬉しくないか?俺といて」


ニヤリと笑うと、菫は真っ赤になり


「意地悪」


布団に顔を隠した。

「す~みれ」


布団を剥ぐと


「嫌だ~」


布団に再び隠れようとする。


「だ~め!」


布団を取り上げ…
抱きしめる。


「ひ、裕ちゃん」


「ん?」


「駄目だよ」


「誰もいないよ。それに俺、今先生じゃねえし」


菫の髪に指を絡ませ毛先にキスを落とす。


「裕ちゃん…」


「菫…ずっと傍にいろよ」


「……えっ」


「離れるなよ」


「……」


「いいな」


「……」


「菫?」


「うん…裕ちゃんが嫌って云うまでいる」




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