恋人は王子様!?



「ん…じゃあ…一生な」


驚いたように目を丸くして


「い、い、一生って…」


「ん、嫌か?」


「……」


「菫…俺…プロポーズしてんだけど」


「プ、プ、プロポーズ?」


「将来、お前が結婚したくなったら…その相手は俺だって予約しとく」


「……」


「ん、嫌か?俺じゃ不足か?」


ちょっと菫を睨んで…


「いいの?私で」


「お前がいい。いや、お前以外はありえないから」


「裕ちゃん…」


見る見るうちに菫の目から涙が零れた。


「菫…お前こそ…俺でいいか?世界にはいっぱい男はいるぞ」


指で涙を拭う。


「裕ちゃんがいい。ううん、裕ちゃんじゃなきゃ嫌だ」


「フッ そっか。お前…よかったな」


「えっ?」


「こんな良い男を選んで」


「……」


「俺より良い男なんて中々いないからな」


悪戯っぽく云うと


「ハハハ…」


やっと…笑った。




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