恋人は王子様!?



――





ガキ?


お邪魔虫?


鈍い?


な、何よ。


誰も私が着いて行くなんて云った覚えはないわよ。


「一緒に行こう」って誘ったのは裕ちゃんじゃない。


誘われてホイホイ着いて行った私が鈍いの?


断ったらよかったの?


裕ちゃんは、私を邪魔だって…


空気が読めないガキだって思ってたんだ。


ずっとお腹の中では…馬鹿にしてたんだ。


優しくしてくれてたのも…嘘なんだ。


ほんとは…私、裕ちゃんに嫌われてるんだ。


頭に血が昇り、後先考えず


「嘘つき!裕ちゃんの嘘つき…大嫌い」


叫んで、家に飛んで帰った。



「す、すみれ―――」


裕ちゃんの呼ぶ声がしてたけど…



< 11 / 215 >

この作品をシェア

pagetop