恋人は王子様!?
「由美」
「あっ」
由美さんがニコッと笑いながら私の後ろの方に手を振ってる。
「悪い、待ったか?」
声を掛けてきたのは
誠実そうな爽やかな男の人
「ううん、久しぶりに懐かしい人に会えたから」
由美さんが優しい笑顔で
「菫ちゃん、私の恋人の隆史さん」
恋人!
驚いた顔をしたのか
「菫ちゃん、私 モテるのよ」
「あ、そそんなつもりじゃ」
「フフフ…隆史さん、こちら私のお友達の菫ちゃん」
「はじめまして…大学生?」
「い、いえ…高校三年です」
「受験生かぁ、大変だね」
隆史さん…優しい笑顔だ。
「菫ちゃん、受験、頑張ってね。それとごめんね時間取っちゃって」
「いえ、大丈夫です。由美さん」
「えっ?」
「会えてよかったです。やっぱり由美さんが好きです」
「ありがとう。私も好きよ」
「じゃあ、さようなら」
二人に挨拶して改札へ行こうとすると
「菫ちゃん」
由美さんが走って来て、耳元で
「裕則に会ったら…由美は今幸せだって、だから裕則も幸せになってって伝えて」
「由美さん」
「じゃあね」
ウインクして、待ってる隆史さんの元へ
二人は楽しそうに歩いて行った。
由美さん…
会えてよかった。