恋人は王子様!?



台所へ行き、ケトルに水を入れ沸かす。


「悪いな。客にやらせて」


「お客さんじゃないから…裕ちゃんは何飲むの?」


「俺はコーヒーだけど…お前は?紅茶もあるぞ」


「うん、じゃあ紅茶」


「ん」


コーヒーメーカーと紅茶を出して、


「コーヒーは俺が入れるからお前は紅茶を入れろ」


「うん」


二人台所に立って、コーヒーと紅茶の仕度をする。


フフ… 何か幸せ!


「ん、どうした?何がおかしい?」


私が笑ってるから


「何もないよ。ただ」


「ただ?」


「裕ちゃんとこうして一緒にお茶の仕度するのって楽しいね」


「……」


何も云わないので顔を見たら、心なしか赤くなってるような。


「裕ちゃん…赤いよ」


「お前なぁ~恥ずかしいこと云うなよ」

恥ずかしいこと?…なのかな?


「……」


「……」


「あ、裕ちゃん…もしかして照れてる?」


「照れてない」


「ふ~ん」


「何だよ、そのふ~ん って」


「何でもないよ」


「嘘つけ」


「嘘なんかついてないもん」


「それが嘘だろ」


「あ~ひどーい!」

「河豚になってるぞ」


頬っぺたをツンツンされた。


「もう、裕ちゃんはぁ」


「ハハハ…あ、コーヒー沸いた、紅茶は?」

「うん、入ったよ」

コーヒーと紅茶をカップに注ぎ、リビングへ―



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