恋人は王子様!?
ソファーに座り、紅茶を飲む。
「あ~美味しい」
体が温まる。
「ん」
部屋を見回し
「このマンション一人暮らしには広いね。2LDKでしょ?前から住んでるの?」
裕ちゃんがカップをテーブルに置き
「いや、学生時代は大学の近くのワンルームマンションに居た。此処はアメリカから帰って来てからだから10月からか」
「ふ~ん、まだ二ヶ月か。だからあんまり物がないんだね」
納得。
「あぁ、広いちゃ広いんだけど、資料やらが多いからどうしても、寝室ともう一部屋必要なんだ」
「そっかぁ…でも、学校からは離れてるよね」
「あ、あぁ。あまり近いのもな」
「生徒が押しかけて来たら大変だもんね。みんな蓮見先生に憧れてるから」
「…菫?」
「気にしてないって云ったら嘘になるけど…大丈夫だよ。裕ちゃんは私だけの王子様だから…ね?」
頭を引き寄せ、てっぺんにキスを落とす。
「ん。…学校から離れてるのは勿論だが…此処なら…お前ん家からも近いからな」
「えっ?」
そうだ、電車で駅二つだ。
「だから、選んだ」
「……」
「菫」
「裕ちゃん…ありがとう」
「フッ、礼を云われる事はないさ」
「可愛くないねぇ。せっかくありがとうって云ってんのに」
「じゃあ、どういたしまして か?」
「疑問符はいらないの」
「フッ 分かりました」
「フフフ…」