恋人は王子様!?



「何か恥ずかしいね」


「何が?」


「野崎先生に会っちゃったから」


「そうだな。あ、そういや、先輩と野崎先生の事を知ってるのってお前だけか?」


「ん…たぶん。裕ちゃんが来るまではね、島先生が一番人気あったんだよ。まっ、今でもあるけどね。野崎先生も男子に断トツ人気No.1なんだからね。その二人が付き合ってるって分かったらショック受ける生徒多いよ。だから、たぶん結婚がね、決まるまでは内緒なの」


「いつ結婚するんだ?」


「さぁ、島先生がプロポーズしなきゃね。でもね」


「ん?」


「私が二人にお願いしてるの」


「何を?」


「結婚式に招待して下さいって…だから、私が大学生になるまではしないよ」


裕ちゃんが分からないって顔で


「何でお前が大学に」


「だって、生徒一人だけ招待っておかしいでしょ」


「あっ、そうか。お前も知らない事になってるのに出席してたらおかしいな」


「うん」


「じゃあ、あの二人の結婚式には一緒に出席しような。お前は俺の婚約者として」


こ、婚約者!


は、恥ずかしい。


「や、やだ~」


手で顔を隠した。


だって真っ赤だもん。


「フッ、先輩達に早く結婚してもらわないと俺らの方が先になるな」


「ひ、裕ちゃん」


な、何を言い出すのよ。


「ハハハ…」


そんな他愛もない話しをしていると、車は家の前に着いた。



< 136 / 215 >

この作品をシェア

pagetop