恋人は王子様!?
「菫」
「何、お父さん?」
「菫は…裕則君をどう思う?」
「えっ?」
いったい何を…
「好きか?」
「う、うん」
「もう、何もこだわりはないか?」
「えっ?」
こだわりって…
「菫には…内緒にしとこうと思ったんだけどな」
「う、うん」
お父さんが、路肩に車を停めて
「一ヶ月くらい前かな、裕則君がお父さんに会いに来て」
「えっ?」
裕ちゃんがお父さんに?
「お前の病気の事…自分の責任だと謝ってた」
「……」
「どおりで裕則君とお前…音信不通と云うか、お前が避けてたわけだ」
「お父さん」
「裕則君も、お前の病気の事は知らなかったんだな」
「ごめんなさい。…は、話そうと…思ったんだけど……あの頃は…裕ちゃんの話し…するのも…辛かった。…き、嫌われてる…って…思ってたから」
「……」
「でも…そうじゃなかった。嫌われてなかった。…お父さん」
「うん」
「裕ちゃんを悪く思わないで。蓮見のおじさん達に云わないで。わ、私…裕ちゃんが…好き…だから…お父さん達が…裕ちゃんを…嫌ったり…したら…ヒック…」
お父さんが頭を撫でてくれ