恋人は王子様!?



放課後もまだ、チョコレート攻めにあってるみたい。


「凄いね、蓮見先生」


「ほんとだね~ あっ、今日ちゃんは青木君に渡したの?」


「う~ん…これから」


「そっかぁ。じゃあ先帰るね」


「ち、ちょっと菫ちゃん」


「いいって、いいって。せっかくのバレンタインデーなんだから」


「気を遣わないでよ」


「遣ってません、試験前であまり一緒にいれないんだからたまにはね。と云うことでバイバイ」


「す、菫ちゃんって」


今日ちゃんを置き去りにして帰る。


「ただいま」


「おかえりなさい」

部屋に入って着替え、勉強する。


が、やっぱり気になるんだよね。


女の子達の中には真面目に告白してる子もいるだろうし。


何か抜け駆けしてるような気分にもなってる。


だから…学校では、裕ちゃんに係わらない方がいい。


もう補講も終わったことだし。


先生と生徒の関係でいなければ。


いくら親達が認めたとはいえ、卒業するまでは…距離を空けた方がいいに決まってる。


裕ちゃんとは電話で喋れるもん。


会えなくても大丈夫だよ。


甘えちゃいけない。

裕ちゃんに迷惑かけちゃいけない。


さ、勉強、勉強。



< 171 / 215 >

この作品をシェア

pagetop