恋人は王子様!?



「野崎先生」


「あら、青木君、菫ちゃん、今日子ちゃん 卒業おめでとう」


「ありがとうございます。三年間お世話になりました」


…駄目だ!


野崎先生の顔を見たら涙が出てきた。


「菫ちゃん、泣かないの」


「は、はい」


一年の時の担任で、しょっちゅう倒れてた私を心配してくれて勇気づけてくれて立ち直らせてくれた。


ほんとに感謝してもしたりない。


「の、野崎先生~」


ついに号泣。


それにつられて今日ちゃんも泣き出した。


「な、泣き止めない」


「フフフ…菫ちゃんたら。分かった、泣きたいだけ二人とも泣きなさい」


暫くして、漸く泣き止み


「ごめんなさい」


「何云ってんのよ。それだけ泣かれるなんて教師冥利につきるわよ。卒業しても、あなた達は教え子なんだから、何かあったら、ううん、何にもなくても顔見せてよ」


「はい、ありがとうございます」


「じゃあ、気をつけて帰ってね。あ、大学合格したら知らせてね」


「はい…落ちたら知らせませんね」


「大丈夫!あなた達なら」


野崎先生…いつも元気づけてくれるね。


ほんとにありがとうございました。


職員室を出ようとしたら


裕ちゃんが笑いながら私達を見ていた。


泣いてるとこ見られたのかしら。


は、恥ずかしい。


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