恋人は王子様!?



「菫」


「裕ちゃん」


「ん?」


「も、もう隠さなくていいんだよね。私…裕ちゃんの恋人なんだよね」


「菫…あぁ、隠すことなんてない。お前は俺のたった一人の恋人だから」


「裕ちゃん…」


「菫、ごめんな」


「えっ?何が」


「俺、結局お前を苦しめてばかりいるな」


「裕ちゃん」


「三年前といい…その後も…」


「そ、そんなことないよ。裕ちゃん」


「……」


「もう忘れてよ。いつまでも裕ちゃんがあの事を後悔してひきずってたら…私達…また前の二の舞になるよ」


「菫」


「裕ちゃん、私達…新しく一歩を踏み出さなきゃいけないんだよ」


「……」


「裕ちゃん?」


「フッ!菫の方が俺よりよっぽど大人だな」


「そ、そんなことないよ」


「そうだな、新しく踏み出さなきゃいけないな」


「うん」


「菫、じゃあ、デートOKしてくれるか?」


「はい。楽しみにしてる。…あっ、でも」


「ん?」


大学、落ちたらどうすんのよ?



< 190 / 215 >

この作品をシェア

pagetop