恋人は王子様!?



日曜日


「おはよう」


「おはよう」


「裕則君、頼むな」

「はい」


「お父さん、私そんなに子供じゃないから」


「ハハハ…「フフフ…」」


お父さんもお母さんも笑って見送ってくれた。


車に乗り込み


「ん?どうした」


「ううん、何か学校の時とは違うね」


今日の裕ちゃんは当然スーツじゃなく、グレーのセーターとジーンズ、焦げ茶色のダウンジャケットというラフな恰好。

眼鏡もいつものじゃなく黒渕眼鏡。


「若く見えるね」


「まだ若いけど」


「ハハハ…確かにね」


「お前も可愛いな」

「あ、ありがとう」

裕ちゃんに可愛いって云われて嬉しいけど恥ずかしい。


私の今日の恰好はダークグレーのニットのミニのワンピースと黒のレギンスに茶色のロングブーツ、キャメルのダウンコート、グレーのニットの帽子。


何となく裕ちゃんに合わせたみたい。


「フフフ…」


「ん?」


「うん、何か微妙に合っててよかった」

「そういやそうだな」


「うん」


こんな些細なことが嬉しい私は、やっぱり裕ちゃんが好きなんだって改めて感じたりして…



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