恋人は王子様!?
夜景
「お待たせ」
「お父さん達、大丈夫だったでしょう?」
「あぁ、12時迄に送り届けてくれって」
12時って…
お父さん達、寛大なんだなぁ。
それだけ裕ちゃんを信用してるってことなのかしら。
「じゃあ行こうか」
「うん、ごちそうさまでした」
「ハハハ…」
「えっ?」
何がおかしいの?
「俺…まだ、ご馳走するって行ってないけど」
「えっ?」
も、もしかして…割り勘?
「ハハハ…冗談だ。お前に払わさせるなんて有り得ないだろ」
有り得ないって…それはそれで…
どうせ親の脛ッかじりだわよ。
いいわよ、大学生になったらバイトして奢っちゃうわよ。
「…れ、菫って」
「は、はい?」
「ぼけ~としてないで、行くぞ」
「あ、うん」
慌てて立ち上がり、裕ちゃんの後を。
支払いを済ませて、お店のドアを開けたら
「うわ~寒い」
「大丈夫か?早く車へ」
「うん」
車に乗ってレストランを後にした。