恋人は王子様!?



裕ちゃんが小さいペーパーバックを出して


「ん」


「えっ?な、何?」


ペーパーバックを受け取り


「開けてみろ」


「うん」


ペーパーバックの中には、リボンの掛けられている物が。


リボンを解き、ラッピングを剥がす。



「えっ?裕ちゃん、これ…」


中からは…


「開けてみろ」


震える指で開けると、中にはペアのシルバーリング


「今はめてるその指輪は毎日はめてらんないだろ」


「裕ちゃん」


「菫、俺云っただろ。嫉妬深いって。だから、虫除け。このリングはめてたら少しはちょっかいかける奴を追っ払えるだろ」


「裕ちゃん」


「俺もはめるから」


「えっ?でも学校…」


「大丈夫だって」


「裕ちゃん」


「本物の結婚指輪ならいいんだけどな」

「ひ、裕ちゃん」


指輪を取り上げ、私の左手を取って


「はめていいか?」

「う、うん」


指輪をはめてくれた。


今、私の左手薬指にはシルバーリングとアメジストの指輪が輝いてる。


そのキラキラは裕ちゃんの愛情。


「菫」


「は、はい」


いけない、指輪に見とれてた。


「俺にもはめてくれるか?」




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