恋人は王子様!?
「裕ちゃん」
「ん?」
「さっきプレゼントしたコインペンダント…貸して」
「ん?」
怪訝な顔して首から外す。
それを受け取り、チェーンにシルバーリングを通した。
「菫?」
「やっぱり裕ちゃん、左手薬指に指輪はおかしいよ。まだ結婚してないのに。女子高生って目ざといんだよ。変な噂立ったら大変だから…ペンダントとして身に着けていて」
「菫、そんなに気を使わなくても」
「ううん、裕ちゃんこそ変に気を使わないで。私は裕ちゃんを信じてるし、そ、それにね」
「それに…何だ?」
優しい声で耳元に
「絶対離れないから。裕ちゃんが『勘弁して』って云っても離れないから…覚悟して」
「ハハハ…お前こそ『勘弁して』つっても離さないから…覚悟しろよ」
「フフフ…大丈夫。それにね、やっぱり裕ちゃんの左手薬指に初めてはめるのは結婚指輪にしてほしいの。最初で最後の指輪」
「ん、分かった。このリングはずっと首から下げてるよ」
「うん」
「で、 菫」
「はい?」
裕ちゃんがニヤリと笑い
「いつ結婚指輪はめてくれんの?」
へっ?
「そ、それは…」
「ん?」
「せ、せめて大学を出るまでは…」
「卒業するまで結婚はお預けか?」
「……」
「クククク…冗談だ。お前がしたい時にしよう」
「裕ちゃん」
「ん?」
「いいの?」
「無理強いはしない」
「うん」
優しいね。
私は甘えっぱなしだよ。