恋人は王子様!?
放課後―
今日ちゃんはクラブへ
私は…生徒指導室へ
コンコン
ガラッ!
「失礼します」
今日は先生が先に来ていた。
「何か、ご用ですか?」
「……」
椅子を指し示されたので座り
「先生?」
「病院行ってたと聞いたけど…大丈夫なのか?」
「……」
「昨日も保健の先生が云ってたけど…貧血か? 中学の時、貧血なんてあったか?」
「……」
「菫?」
「大丈夫です。そんなひどいもんじゃないので…」
「……」
「受験生だから…勉強のしすぎです」
「…保健の先生が、お前を『菫ちゃん』って呼んでたな」
「……」
「そんなに親しいのか?そんなにしょっちゅう保健室に行ってんのか?」
「…そ、それは」
「ん?」
「保健委員してたから…」
「菫…嘘ついても無駄だ」
「えっ?」
「俺はお前の副担だぞ。一、二年の事も分かってる。一年は委員はしてない。二年からは学級委員」
「……」
「菫」
「一年の健康診断で貧血が分かって…それで保健の先生に貧血には何がいいのか聞きに云ってたから、先生と親しくなって…だから『菫ちゃん』って」