恋人は王子様!?



職員室―


「野崎先生」


「あっ、菫ちゃん。大丈夫?」


「はい。先生…プリント下さい」


「はい、はい。ちょっと待ってね。…佐藤先生、椅子借りますね…菫ちゃん、座って」


「はい。佐藤先生、すみません」


部屋を出て行く佐藤先生に挨拶して…


…裕ちゃんが職員室に戻って来た。


一瞬…目が合った。

「菫ちゃん」


「は、はい」


野崎先生が、ニィっと笑って、小さな声で


「イケメンに見惚れてるの?」


「えっ?」


イケメンって?


「蓮見先生」


蓮見先生…


「えっ、えぇぇぇ」

「菫ちゃん、声大きい」


はっ!


周りを見回すと…


先生方が…


私を見ていた。


「す、すみません、何でもないです」


慌てて立って頭を下げる。


また、裕ちゃんと目が!


…笑ってる。


もう!


「菫ちゃん」


「先生、変な事云わないで下さいよ。びっくりするじゃないですか」


「ハハハ…ごめん、ごめん。でも、蓮見先生…人気あるのよ。昼休みとか放課後に女子が英語を聞きにってか、来るわよ」


「へぇ~モテるんですね」


「菫ちゃんは興味ないの?」


「ないです」


「あら、即答ね…はい、プリント」


「ありがとうございます」


「分からないところあったら聞きに来てね」


「はい、じゃあ」


立ち上がり、出て行こうとすると



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