恋人は王子様!?



「菫ちゃん」


「はい」


「…無理しちゃ駄目よ」


先生も立ち上がって、私の耳元で


「何かあったら…一人で抱えないで、来るのよ」


「先生…」


「ねっ!」


いつもの優しい笑顔

私も先生の耳元で


「はい。…先生、島先生によろしく」


「菫ちゃん!」


先生が赤くなった。

「ハハハ…じゃあ先生、さよなら」


先生に手を振って、職員室を後にした。


野崎先生には、体育の島先生という恋人がいる。


知ってるのは私だけ…って、私が仲を取り持ったようなもんだから。


これは…貧血のお陰かしら。


フフフ…


少し気分がよくなった。




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