恋人は王子様!?
しかし、俺はまだ、軽く考えてた。
菫が怒っても、いつものようにすぐ機嫌は直ると…
菫は俺の云う事はなんでも信じるから大丈夫だと…
それが裏目に出るなんて…
『俺の云う事は何でも信じる』
つまり、菫は…
『自分は裕ちゃんにとっては、どうしようもなく鈍いガキで…邪魔な存在で嫌われている』
そう思ってしまった。
一切、俺には会わず無視。
俺の家にも来なくなった。
親父達とは会ってるようだが…家には俺がいるから…
暫く冷却期間を明ければ大丈夫かと思い…二年半。
なのに再会した時のアイツは…
初めは俺だと分からなかったようだが、
俺に気づいた時は…何ともいえない顔をしていた。
いつもニコニコ笑ってたアイツにあんな顔をさせたのは…俺だ。
もう二度とあんな顔はさせない。
『恋なんかしたことない』
上等じゃねえか!
俺がさせてやる。
お前は妹じゃねえ。
俺のたった一人の女だ。
お前は俺のもんだ。
誰にも渡せねえ。
絶対 逃がさねえ。
覚悟しとけ。
*蓮見裕則side 終*