恋人は王子様!?



「蓮見先生」


資料に目を通してた先生が顔を上げ


「ん?」


「ご迷惑をおかけしますが、英語の補講…宜しくお願いします」


「ん…頑張ろうな」

爽やかな笑顔。


「…はい」


何か…居心地が悪い。


補講は金曜日と決まった。


課題のプリントを受け取り金曜日までにするようにと。


「失礼します」


職員室を出ようとしたら


「篠原」


「あっ、島先生」


「今日はどうした?…野崎先生のとこに遊びに来たのか?」

「残念ながら呼び出しです」


入り口付近では邪魔になるので、隅に寄って


「蓮見先生に補講を受けるようにと岡野先生に云われました」


「受験対策か」


「はい」


「まぁ、仕方ないな。蓮見なら大丈夫だろ。優秀だから」


「先生、前にも云ってましたが、蓮見先生のことを、よく知ってるんですか?」

「あぁ、大学の後輩」


へっ?大学の…


「そ、そうなんですか」


「うん」


ちらっと見ると、先生がこちらを見てた。


……





突き刺すような眼差し…


「じゃあ、先生 またね」


「あぁ、気をつけて帰れ」


「はい。失礼します」


職員室を出て―家に帰った。


先生から出された課題に取り組み


島先生と裕ちゃん…先輩、後輩なのか。

なら、島先生…由美さんの事を知ってるのかなぁ。


あの二人が別れた理由とかも…


……





あ~


関係ない。


私には何の関係もない。


今は勉強よ。


出来ない子とこれ以上馬鹿にされたくない。



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