恋人は王子様!?
金曜日、放課後―
補講は進路相談室で
コンコン
ガラガラッ
「失礼します」
扉を開けると
先生はもう来ていた。
「今日から宜しくお願いします」
「ん。座れ」
やってきた課題を見てもらう。
「ん…まあまあだな。じゃあ、これやってみろ。去年のやつだ」
「はい」
――
―
静かな教室にペンの音だけが響く。
――
―
「先生、出来ました」
「ん」
課題をチェックしてる先生の顔は真剣だ。
……
…
やっぱり…いい顔だな。
裕ちゃんも大人の顔になったんだな。
髪は前と違って、少し長くて…柔らかそう。
そういえば…髪…柔らかかったな。
「ん、どうした?」
急に私の方を向くから
「な、な、何でもないです」
びっくりした。
「此処と此処をも一回チェックしてみろ」
「あ、は、はい」
私…たぶん顔が赤いよ。
……
…
先生が、じぃっと見てる。
私を見てるんじゃなく、課題を見てるんだろうけど…
何か緊張する。
「先生…出来ました」
「ん」
プリントをチェックして
「ん、これでOKだ」
「はい」