恋人は王子様!?
コンコン
扉をノックする音。
…ったく、誰だよ。
菫は慌てて涙を拭いて椅子に座り直した。
「はい」
ガラガラッ!
入って来たのは
「すみません、勉強中に」
「野崎先生」
「菫ちゃんに、これ…」
「あっ、この間の論文」
「うん。添削しといたから…今ならまだ此処かなって」
「ありがとうございます」
「よく出来てたわよ」
「ヘヘヘヘ…」
「英語もそれくらい頑張りなさいよ」
「は~い」
「じゃあ失礼しました」
「あ、先生…私も帰るとこだったから、一緒に行く。…蓮見先生、ありがとうございました、また来週お願いします」
俺が何も云う間もなく部屋から出て行った。
……
…
どんだけ親しいんだ?
菫があそこまで懐いてるなんて。
はぁ~
俺、野崎先生にも…嫉妬しそう。
……
…
せっかく『愛の告白』しようと思ったのに…
まぁ、仕方ないか。
だけど何で姫=ガキなんだよ。
*蓮見裕則side 終*