恋人は王子様!?



*蓮見裕則side*



「お前…何か野崎先生を怒らすような事したか?」


「何もしてませんよ」


「…それならいいが、何か機嫌悪そうだったからな。ま、篠原がいるから大丈夫だろ」


菫?


「先輩」


「うん?」


「聞きたい事があるんですが」


「此処じゃまずいか?」


「……」


生徒の事だからまずくはないが…


「帰りに飯食いに行こう」


「はい」


車を学校に置いて、居酒屋へ―


まずはビールで


「お疲れ」


暫くは、他愛ない話しをしてたが、


「で、聞きたいことって?」


「あっ…」


いざ 聞こうとすると、どう聞けば…


「ん?」


「…いや、篠原のことなんですが」


「篠原?」


先輩のビールを飲む手が止まった。


「あ、いや、何か野崎先生や保健の先生が篠原のことを『菫ちゃん』って呼んでるし、先輩も何か篠原のことを気にかけてるようだから…なんでかなと?貧血くらいでそんなに」


「…気になるか?」

「…一応、教え子ですので」


先輩がニヤッと笑い


「ふ~ん」


何なんだよ。



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