恋人は王子様!?
「ま、段々落ち着いて、飯も食えるようになり体力もついて、貧血も改善され…今じゃ元気だ。お前も知ってるだろ、本村今日子と青木聡…あの二人が篠原を支えてくれたんだわ。それから徐々に元気を取り戻し、二年からは学級委員もやってるし、人望もある。野崎先生は初めて担任した生徒だし、病気のこともあったし、ま、何より篠原の本来の性格がな、可愛いってか素直ってか…可愛がってるんだわ。ま、俺もその一人だがな。って云っても贔屓してるわけじゃないから誤解すんなよ……裕ちゃん」
「!?えっ? せ、先輩?」
何で先輩が『裕ちゃん』
「ハハハ…やっぱりな」
「……」
「篠原が倒れた時な、よく譫言で『裕ちゃん』って呼んでた。誰の事がわかんなかったが…フッ、お前の篠原を見る目がな…それに今のお前の顔…殴られたような顔してっぞ。それと、この間、俺に篠原がお前の事を聞いてたから…もしかして…と思ったんだ。お前の名前は『裕則…裕ちゃん』だからな」
「先輩…」
「知り合いなんだろ?…いや、ただの知り合いだけじゃないよな?」
冗談めかした口ぶりだが…目は真剣だ。