恋人は王子様!?



「あ、お父さん お帰りなさい」


「ただいま」


お父さんがビールを飲みながらご飯を食べている。


その向かいに座り、プリンを食べる。


「菫、明日の夕方、何か予定あるか?」

明日?


「ないよ」


「うん、なら明日、久しぶりに蓮見の家に行こう」


「えっ?」


蓮見の家って裕ちゃん家だよね。


「電話があってな、菫に会いたいって…暫く会ってないだろ」


「う、うん。夏休みに会ったきりかな」


「じゃあ明日行こうな。菫の好物を作って待ってるって…ほら裕則君も家を出てあまり帰って来ないらしいから」


裕ちゃん…


裕ちゃんが家にいたら私が行かないから出たんだ。


…明日、蓮見の家に行っても裕ちゃんはいないから大丈夫だよね。


学校からも遠いし…


「うん。楽しみにしてる」


裕ちゃん、さっきの電話で何も云ってなかったしね。


「じゃあ もう寝るね」


「お休み」


「お休みなさい」



部屋に戻り


ベッドに―


…あれ、メールだ。

『早く寝ろよ』


…これだけ?


フフフ…裕ちゃんらしいや。


返信は


『お休みなさい』


私も簡単に…


久しぶりに穏やかな眠りに就いた。




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