恋人は王子様!?
つかの間の…
土曜日の夕方―
「菫ちゃん、いらっしゃい」
「おばさん、こんにちわ」
蓮見のおじさん、おばさん…
私を本当の娘のように可愛がってくれる。
あの事があってからは、あまり会えなかったけど…
おじさん達には話してないもん。
分かったら、絶対、裕ちゃんを責めるから…
だから、お父さん達にも病気のことは内緒にしてもらってた。
リビングに入ると!
――
―
な、何で…居るのよ?
驚いてる私を見てニヤリと笑ってる。
「やぁ、裕則君 久しぶりだな」
「ご無沙汰してます」
ソファーから立ち上がり、お父さん達に挨拶を…
「アメリカからいつ帰ってきたんだい?」
へっ?
お父さん、アメリカって…
裕ちゃん…アメリカにいたの?
「先月、帰って来ました。今は、高校の教師してます」
「あら、高校の?」
「はい、偶然ですが、菫の高校です」
「えっ、あらそうなの?菫…云ってくれてないわよ」
はっ?
「あ、あぁ…忘れてた」
そんな事より、何でお父さん達は知ってて、私…知らなかったんだろう。