恋人は王子様!?



「二人とも、デザート食べるわよ」


おばさんの声!


「今 行く」


「大丈夫か?」


「うん」


お土産を開けて


「あ、可愛い鞄!それと…テディベア」

テディベアって…



「裕ちゃん」


「ん」


裕ちゃんは後ろから抱きしめたまま。


「テディベアって…やっぱり子ども」


「違うって…このテディベアは俺がホームステイしてた家の奥さんが、『大切な人にプレゼントして』って…作ってくれたんだ」


「……」


「だから、菫に…渡そうと…菫が受け取ってくれなかったら、このテディベアと鞄の行き場所はなかった」


「大切な人…」


「ん…」


「私…裕ちゃんの大切な人?」


「フッ 誰よりも、何よりも大切な人だよ…菫は俺の大切な姫だから」


「ひ、裕ちゃん…姫」


「姫ってのはな、誰よりも大事な女のことだ。小さい子どもって意味じゃない」

また涙が…


「あ、ありがとう…」


「ん……泣いてる場合じゃないぞ。下に降りなきゃな」


「うん…あ、だけど裕ちゃん」


「ん?」


裕ちゃんの方に向き直って


「昨日、何にも云わなかったよね」


「何を?」


「今日の事。私、裕ちゃんが来るって知らなかった」


頬を撫で


「何だ、そんな事か。このテディベアを取りに来たんだ、お前に渡す為に…そしたら、お前が来るって云うから」


「何だ、そういうことか」




「早く降りてらっしゃい」


「は~い」


「行こうか」


「あぁ」



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