恋人は王子様!?



裕ちゃんにあの時云われた言葉が、やはり棘のように刺さってて、今でも時々、頭をもたげる。


そして、裕ちゃんの何気ない言葉や表情に反応してしまう。

愛されてるのに…

こんなにも好きなのに…

怖い…


ある日、気がついたら裕ちゃんがやっぱり菫は鈍いガキで邪魔な子だと思って何処かへ行ってしまいそうで…


考え過ぎなのは分かっている。


自分で自分が嫌になる。


それにクラスの女子達が話してるのを聞くと…


『付き合ったら、毎日の電話やメールは当たり前。デートだって…やっぱりキスくらいわね』


『え~貴女の彼氏さん、それ以上求めないの?』


『え~何?男なんてそれしか考えてないわよ、あんまり断ったら、余所に行っちゃうよ』


『え~?』


『コイツは本気で俺のこと好きじゃないんだって』


『そうかもね、相手が年上なら余計にね』


なんて話していた…


……





裕ちゃんも…余所に行く?


これだけイケメンなんだもん。


うちの生徒だけじゃなくても、例えば、由美さんみたいな綺麗な人に告白されたら…




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